Principles of haptic perception

●概要

本研究では,ヒトがモノに触れる際に発生する皮膚の振動を解析し,触覚に関する原理の解明を目指しています.実験では,ウェアラブル皮膚振動センサを用いて,ヒトが感じる触感と皮膚振動との対応関係を考察しています

●背景

私たちは触覚を通じて,外界との力学的な相互作用を認識し,物体との接触や,物体の形状,硬さ,温度などを感じ取ることができます.相互作用の1つに皮膚の振動がありますが,接触の検知だけでなく,手触りや硬さの知覚にも影響するように,振動は触覚と多様な関係を持ち,重要な要素と言えます.したがって,振動に関わる触覚の原理の解明は様々な応用展開の可能性を持ちます.

●研究の成果

試料をなぞる際の速度に着目して実験した結果,速度によって振動の周波数特性に差が見られ,速度が粗さ感などの触感に影響を与える可能性が示されました.

●特徴

外的な刺激量を表す皮膚振動と,内的な感覚量である触感とを比較するためには,心理物理学という学問が非常に重要になります.この学問は,信頼性のある実験方法を考えたり,得られた結果を統計的に調べたりするために役立ちます.このように,機械工学だけでなく他のアプローチも視野に入れ,ヒトの感覚を追究しています.

●研究の未来

触覚の原理解明が進み,一人一人の触覚の情報化できれば,それを伝達させたり拡張させたりすることもできると考えられます.そうなれば,スポーツ選手,医者,乳幼児,職人などの様々な人が持つ感覚そのものを共有・拡張することで,技や感性を共有することができ,多様性のある優しい社会につながっていくかもしれません.

 

  • Project members: 

夏目真規子 木村幸平

  • 主な論文:
  1. Natsume, M., Tanaka, Y., Sano, A.: Skin-propagated vibration for roughness and textures. In: World Automation Congress (WAC). IEEE (2016)
  2. Natsume, M., Tanaka, Y., Bergmann Tiest, W.M., Kappers, A.M.L.: Skin vibration and contact force in active perception for roughness perception. In: 2017 26th IEEE International Symposium on Robot and Human Interactive Communication (ROMAN), pp. 1479–1484 (2017)
  3. K. Kimura, M. Natsume, Y. Tanaka.: Influence of scanning velocity on skin vibration for coarse texture. In: Eurohaptics 2018 conference. (2018)

 

 

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